今日は私自身のことなど
こんにちは。いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。
ソバニの中村です。今日は自分のことを書いてみようかと思います。
sobagniはショップをオープンさせてから半年がたちましたが
ショップをオープンさせることを夢みて活動しだしたのは
もう、5年も前になります。
もっと言うと私の頭の中にはそれよりはるか前からもっと多くの方に共和レザーという会社を知っていただきたいという夢がありました。
会社員という立場であるゆえに発言するチャンスもなければ勇気もなく、悶々と過ごした日々。
その頃のことを考えたら、今こうして一つの夢が始まって新しい悩みや悶々がありながらも前に進んでいる実感をかみしめています。
私は東京の葛飾区という下町で生まれ育ち、東京の美術大学を卒業し、共和レザーに28年前に入社して今年の2月まで「デザイン部員」として仕事をしてきました。
浜松市という地方都市(という名のド田舎)にやってきて
「女」というだけで今だったら確実に裁判に勝てる数々の扱いを受け(笑)
でも半面、正直得してる部分もあるからまーいいかみたいな感じで
本当に流されるように会社生活を送っていました。
共和レザーは自動車の内装材をはじめ、大手壁紙ブランドやユニットバスメーカーのOEMメーカーとしてシート材を製造しています。(現在は壁紙はありません)
私は幸いにも、壁紙のデザインも自動車内装材もユニットバスにもかかわらせていただき
OEMメーカーはつくづく社名も出ないし、「縁の下の力持ち」なんだなということを実感してきました。
私たちがデザインして提案して採用された製品は時として
ブランドメーカーさんの主力商品になったりもします。カタログのトップページに飾られることもあります。
ただし主力商品だけど、自社名は一切そこには出ない。
ブランドメーカーさんにはコスト面でも機能面でもとても厳しく要求されます。
私たちはそれにこたえることで成長してきました。ブランドメーカーさんあっての共和レザーです。
でも、その技術力は私たち社員の技術力であり製造技術であることは間違いない…
新しいお客様を見つけることは営業部隊がやる。
でもどこまでたってもOEMメーカーでどんなに成長しても縁の下の力持ちなんだな…
そんなことを一時期すごく考えていた時期がありました。
合成皮革というと私たちの身近で感じられるものとしては
「靴」「バッグ」「ニ〇リのソファー(笑)」かな、と思います。
しかも合皮のそれらは確実に「安い」。時にブランド名がついたりしてそれなりの値段のモノもあります。
ただ、共通して言えるのは4年ぐらいたつと「見るも無残な姿になる」。
表面の革がポロポロ剥がれ落ちて持っただけで粉のような表面層が舞う。
一般的な合皮のイメージはこちらが正しいことになっているんですよね。
だけど、私たちが製造している合成皮革はそんな風にはならない。
使っている原料が全然違うから。何が違うって原料がベラボーに「高い」。
ボロボロになる合皮はベラボーに「安い」。
それだけの違いなんです。
作り方は色々ですが基本は同じ。
私たちが自動車用として製造している合成皮革はボロボロにならない。
そんなものを作っているーメーカー勤務している私がこれはボロボロにならないかもしれないだって○○だし。
と思って買ったあるブランドの靴が一年もたたないうちにボロボロになったのには愕然としました。
どうして、こんな高い値段で売るブランドさんがいい素材を使わないんだろう
どうして、ボロボロになる合皮を使うんだろう
なぜだと思いますか?価格でしょうか。それもあるかもしれません。
でも、もっと大きな理由は「素材のことを知らない」。
ブランドさんが素材のことを知らないんですね。
産学共同活動で大学でも合成皮革の講義をさせていただき5年になりますが
5年前、大学の先生ですら、ご存じなかった。
これを知って、メーカーとして何とかしなくちゃと強く思いました。
と同時に、この素材には夢がたくさん詰まってる。と可能性を強く強く感じました。
もっともっと私たちの製造している素材をいろんな方に伝えたい。
一般の方にもお伝えして素材の価値を上げたい。
そんな強い思いがアクションに変わり、今に至っています。
夢は途中です。
昨日、夢をメンバーと語り合いました。
次の目標がまた見えてきました。
その夢はまた機会があればお伝えしようと思います。