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ソバニ エシカルブログ

ヴィーガンレザーとは? エシカルレザーとの違い

2023/02/12
展示会

こんにちは。エシカルレザーSobagniの中村です。

SDGsへの関心が高まるなか、「エシカルレザーって、ヴィーガンレザーなの?」というご質問をいただくことがあります。

ざっくりお答えすると、ヴィーガンレザー(ビーガンレザー)も、エシカルレザーも、ズバリ「合成皮革」なのですが…
ヴィーガンレザーとは?なんでしょうか?

今日はもう一歩踏み込んで、レザー業界で30年、現場で感じてきたトレンドの変化を整理しながら、「エシカルレザー」と「ヴィーガンレザー」の違いについて考えてみたいと思います。

「本革が一番」だった時代

Sobagniの母体である共和レザー株式会社は、自動車内装材としての合成皮革を製造しており、国内No1、世界でもNo2のシェアを誇るメーカーです。そんな会社に就職した私ですが、30年前、自分が使っていたバッグは本革でした。合成皮革は合成された革(本革の偽物)の立ち位置でした。確実に。

デザイン部に所属していた私は、毎年、イタリアのLINEA PELLE(リネアペッレ)という革の展示会へ行っていました。革のトレンドを見て、一頭分の革を購入して、そこから型をとって自社の製品に型押しする。まさに本物の革の表情をどうやって表現するか、が私たちの仕事だったのです。

リネアペッレの会場
リネアペッレ(国際皮革製品見本市)の会場

イタリアといえば革の産地。有名なタンナーさんがいる地としても有名です。ですから展示会はイタリアなのだと思いますが、気の遠くなるような敷地の展示会場に、歩いても、歩いても革、革、革。

そんな15年ほど前のある日、広大な展示会場の中に、Synthetic leather(シンセティックレザー/合皮)の展示ブースを発見しました。本革の本場イタリアの、最新トレンドを展示する会場に!!

自社の合成皮革の可能性を感じた瞬間でした。

国際皮革製品見本市
これくらいの面積で1F2Fがあってこの面積の大体8個分くらいの建物で展示されています。日本にはない展示会場の広さです。

アニマルフリーという潮流

その後も年を追うごとに、Synthetic leatherを展示するブースが拡大していきました。それと同時に「アニマルフリー」の言葉もよく耳にするようになってきました。

アニマルフリーの先駆者であるブランド・ステラマッカートニーをご存知でしょうか。2001年から、非動物性の素材を使った商品を展開し、デザイン性の高さも相まって、日本でも大変人気があります。彼女の「動物は私たち人間と対等の存在」というマインドは、ベジタリアン(菜食主義)の家庭のなかで当たり前に育まれたそうです。

また、ペット関連の市場も右肩上がりで成長していますね。「ペットは家族」という考えを持つ方は年々増加し、皮革製品においてもアニマルフリーの素材が必要とされていると感じます。

SDGs、サスティナブルな社会へ

2015年の国連サミットで採択された「SDGs」。サスティナブル(持続可能)な、よりよい世界を目指そうという流れも浸透してきました。

本革は食肉の副産物なので、「エコ」で「サスティナブル」でしょうか。動物の皮膚を皮革にしていくための工程をご存じですか。なめすという工程では有害な化学物質と大量の水が必要です。先進国のタンナーさんはきちんとした管理のもと有害物質などは外部に出ないようにしていますが、後進国で行われているなめしの現状を知ったとき(例えばバングラディッシュの鞣し工場を検索してみてください)、知らん顔できないなと思いました。もちろん日本も、その皮革を大量に輸入しています。海外製の皮革製品も含めれば相当数かと思います。

それならば、合皮の方がサスティナブルなのでしょうか?

合皮は数年たつと劣化してボロボロになってしまう…
かなしい合皮のサガ。安くて結局廃棄が増えては全然サスティナブルではないですよね。
この数年で劣化してしまう合皮は主に「ポリエステル系ポリウレタン」を原料にしたものです。
安価で作れます。

もしも…世の中に「べたべた、ボロボロにならない合皮」があったら?
それが私たちが扱う「エシカルレザー」です。

エシカルレザーとは

エシカルレザーとは、共和レザー株式会社が運営するブランド・Sobagniが販売する合成皮革です。
もともと自動車内装用として開発された合皮ですから、過酷な環境でも高級感ある質感を長く保つという特徴があります。

加水分解(べたべた、ボロボロになる現象)を起こす、ポリウレタン系合皮とは、素材や製法が異なります。

エシカルレザーの特徴

  • 本革のような風合い
  • 10年に渡り品質を保つ
  • しなやかで扱いやすい
  • 水分に強い
  • 温度変化に強い
  • 傷ができにくい
  • 軽量である
  • サスティナブルな原料・工程で作られている
革の風合いを持ちながら、耐久性に優れるエシカルレザー

エシカルレザーの名前の由来

かつて「自社の素材は所詮合皮」だと思っていた私ですが、本革の本場・イタリアに出向き、アニマルフリーやSDGsへの流れを肌で感じるなか、いつも目にする自社の製造している合皮に目をやると…。「合成皮革=ボロボロになってしまう素材」という概念を覆せる素材がここにあると気づきました。

「この素晴らしい合成皮革をより多くの方に知っていただきたい」という思いがSobagniというブランドとなり、「人や社会、環境、動物などに優しいものを」選択する消費行動やライフスタイルを送る倫理的活動を意味する「エシカル」という言葉を拝借して、私たちが扱うレザーを「エシカルレザー」と称してお届けしています。

ヴィーガンレザーとは

ヴィーガンとは

食べるもの、身に着けるものすべてにおいて動物性のものを避ける生き方のことを言います。はちみつや牛乳などですら口にしない、革、毛皮、ウールなども身に着けません。

ヴィーガンレザー=合成皮革?

「非動物性」という意味では合成皮革はすべてヴィーガンレザー(ビーガンレザー)であり、かつては合成皮革全般をヴィーガンレザーと呼んでいました。

大きく括れば、ボロボロ・ベタベタになってしまうポリウレタン系の合成皮革も含まれますから、ヴィーガンレザーを選べばエコであるとは一概に言い切れませんね。

「次世代レザー」の誕生

おそらく5年ほど前から「アップルレザー」や「パイナップルレザー」などを目にするようになりました。アップルレザーはりんごから作られているレザーですし、パイナップルはパイナップルからできています。

次世代レザーの登場により、最近では、「ヴィーガンレザー(ビーガンレザー)とは、植物由来の原料を50%以上使った合成皮革」という意味合いで使われるようになってきているようです。

エシカルなヴィーガンレザー

このように、ヴィーガンレザーという言葉の使われ方は時代とともに変化しており、その原料や割合、耐久性の定義については、まだまだ流動的な部分がありそうです。

意外なあの植物がレザーになった!という楽しみとともに、成分の割合や、長く大切に使えるか?ということも考え、エシカルな選択をしたいものです。

共和レザーでも、廃棄される予定の葉っぱや皮など、天然の植物を50%以上使用したヴィーガンレザーの製造に成功しており、日本で初めて特許も取得しています。この春、Sobagniから、オリジナリティあふれる「ヴィーガンレザー」を世に送り出す予定になっています。耐久性・デザインともに、長く使えるエシカルなアイテムを開発していますので、ぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです。

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